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今こそ中選挙区制に戻すべし

 親しくさせて頂いている「だまっとら連」(労働組合の方達の集まり)の機関誌新年号に原稿を頼まれた。
 その時点で、総選挙の中盤であったため、編集部に以下のような原稿を送った。
                  ※
 実はこの原稿を書いている時点では、2012年衆議院総選挙の真っ最中であり、選挙結果がどうなるかはわからない。しかし、大手マスコミは選挙中盤の予測として、いずれも世論調査の結果「自民支持率20%」「自民過半数の勢い」と報じている。
 記事を書いている記者は、矛盾を感じないのであろうか。
 支持率「20%」の政党が、議席数の「過半数」を取る。
 誰が見ても民意を反映しているとは、およそ言えないであろう。新聞が社会の木鐸として警鐘を鳴らすべきは、まずは民意を反映しない現行選挙制度の不合理であろう。
 ところがマスコミは「投票価値(一票の価値)の不平等」については詳しく報じても、小選挙区制の矛盾については全く報じない。しかし、投票価値が幾ら平等になっても、小選挙区制のままでは結局、民意は反映されないのである。
 確かに、投票価値の平等は、これはこれで重要問題である。何故なら、投票価値が不平等であれば、投票価値の低いものの意思が正確に反映されないからである。しかし、マスコミは、投票価値の平等の必要性を、「形式的平等」の観点から論じている。これでは現行選挙制度全体の不合理に結びつかない上、むしろ、本当に本質的な問題からは目を背けさせるものといえよう。
 また、形式的平等の強調は、選挙制度のみならず、「消費税は、誰にも等しくかかる平等な税制だ」「条件を平等にして自由に競争させるのが良い」などなど、結果的に「強者」を有利にさせる論理に結びつく。
 労働と人権を守る政策を実現するためにも民意を反映した国会議員を生み出す選挙制度にしなければならない。それと同時に「形式的平等は実質的平等を阻害する」という当たり前の考え方を、今、改めて確認すべきであろう(以下略)。

 以上が総選挙前の原稿であるが、選挙結果は、大手マスコミの世論調査の通りとなった。
 私は、これまでこのホームページでくり返し「小選挙区制廃止」を訴えてきた。
 過去2回の総選挙では、得票率と議席数の矛盾を数字を示して指摘してきたが、もはや細かい計算をするまでもないであろう。
 選挙区での史上最高の「白票」の多さは決して「誰に入れて良いか分からないから」ではなくて、「入れる候補者がいないから」の白票とみるべきであり、また、選挙後の世論調査に於ける「自民は議席数をとりすぎ」という意見は、「自民支持」が「消極的なものでしかなかった」事を物語る。
 理屈の問題は過ぎた。もはや、一日も早く、中選挙区制に戻すべきである。
 選挙直後のマスコミ各紙の論考の中で、読売新聞がいち早く「中選挙区制に戻すべし」と記事にしているのは注目される(12月17日付朝刊)。
 この点については、私は読売新聞を断固支持したい。


 
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