大川法律事務所
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和解成立
───特定社労士が個別紛争に関わる場合における留意点───
第1 社労士及び特定社労士の業務
 
1. はじめに
 
(1) 隣接士業拡大に伴う弁護士会の立場
(2) 弁護士法72条の意味
(3) 隣接士業の事実行為代理から事件代理への流れ
(4) 社労士の場合──特定社労士について事件代理を認める
2. 権限・業務範囲について
 
(1) 特定社労士の業務
  ①行政ADRの代理
②交渉代理
(2) 社労士と直接交渉
  業としてするには特定社労士に限り、かつ、行政ADR申請中のときのみ
(3) 「素人に出来ることは、専門家にも出来る。」の論点
1. 倫理に気をつけること
 
(1) 守秘義務
(2) 双方代理
(3) 利益相反
(4) 品位保持義務
 
(参考) 大阪弁護士会の警告事件
 
(1) 2003年警告事案
   「警告の事実
 貴殿は弁護士でないものであるが、法定の除外事由がないのに、平成○年○月頃から同年○月頃まで、△△△において、甲に対して、乙の代理人として時間外手当の未払問題について直接交渉にあたるとの内容証明郵便を送付するなどして法律事務を継続して行い、顧問料月額3万円の報酬を受領するなど、報酬を得る目的で法律事務を取り扱ったものである。(略)」
(2) 2007年「処理猶予」事案
  下記誓約書を提出してもらった結果処理猶予 
 「大阪弁護士会法七十二条問題委員会 御中
                  誓約書
 貴委員会のご説明を受けた結果、社会保険労務士法第2条第2項(平成18年3月1日以降は同条第4項)及び弁護士法第72条の規定により、労働及び社会保険に関する事項に関する事務であっても、具体的な法律事件について、鑑定、代理、仲裁又は和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの斡旋にあたることは、社会保険労務士の資格においてはできないこと、及び○○社と同社の労働組合との間の争いに関し、当職が平成○○年○○月○○日から平成○○年○○月○○日までの間、労働組合に対し行った説明及び発言の中に同社の代理人としての行為に該当し、弁護士法第72条に反するものがあることを、理解致しました。
 今後は、かかる行為に及ばないことをここに誓約致します。(以下略)」
第2 示談交渉の手法
 
1. 人の話をよく聞く
   ―全ての原点、いろいろな意味で「情報収集」する
2. 当事者の利害を知る
   ―ハーバード交渉術にいう「オレンジの分け方のエピソード」
3. 真の争点を知る
   ―表面上の争点が真の争点と違うことがある
4. その人を説得させる有効手段を知る
   ―「ワインの分け方」の例
5. 古典的テクニックを一応知っておく
6. そして「WIN-WIN」の手法
7. しかし、基本は「誠意」である
 
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