(1)「互いに競い合い自己の判断と責任で道を切り開く」(2条(3))
自己責任と競争主義の考えが如実に現れている
極端な競争主義は教育に相容れない
世間は「競争社会」の理屈の誤り
(2)「愛国心と郷土愛」(2条(5))
国家主義的色彩。これらの言葉の果たしてきた役割を考えるべし。
「愛国心」は教育基本法にもない
(3)「世界標準で競争力の高い人材を育てる」(2条(6))
企業に忠実な労働者を育てることがかいま見られる
しかし、教育で育てるべきはそのようなものではない
(4)知事に教育委員を任免する権限(6条1)と罷免事由の制定(12条)
①教育委員の中立性はどうなるか
独立行政委員会制度である「教育委員会」変容の危険
②そもそも条例で罷免事由を定めうるか
本条例が定める罷免事由の内容上の妥当性
地教行法7条の罷免事由と齟齬をきたさないかどうか
「地方公共団体の長は、心身の故障のため職務の遂行に堪えないと認める場合又は
職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると認められる場合…」(7条1)
→同条例が定める罷免事由は、地教行法7条1がいう「職務上の義務違反」に該当するか
(5)知事の目標設定(6条2)
①条例で教育理念を示すことの妥当性
理念の法定をめぐる妥当性 一般的抽象的レベルか具体的な目標レベルか
②教育目標設定権を知事に委ねることの妥当性
a 教育の政治的中立性の確保
b 教育行政の安定性
(6)学力テストの公表(7条2)
教育上、政策上妥当なのか
(7)校長・副校長の任期制による採用(14条)
かつての解説では「校長とは学校をマネジメントする経営者」とあった。
学校は営利企業なのか
(8)教員任用における校長の意向(18条)
校長の意に沿う、或いは顔色をうかがう教員の危険
教育の政治からの独立の危険
(9)教員の人事評価(19条)
かつて「インセンティブを導入したマネジメント」と解説。成績主義、競争主義。
教職員の資質向上・意欲向上につながらず、学校組織の円滑な運営を阻害する
(10)懲戒処分、分限処分の基準(24条他)
教員を思うように動かす
真の教育に携わることが出来るのか |