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憲法「改正」について
第1 はじめに
 
1. 憲法が変えられようとしている。
2. 憲法は、普段、意識されない為に、「基本的な法律」(法律の一種)くらいに思う人がいるが全く違う。
憲法は主権者たる「国民」が、権力を担当する者に対して(権力者はしばし暴走するゆえ)縛り付けたものである。
3. 憲法があるから我々の生活が守られている。
4. 本来は、憲法が行き渡っていない
  これを行き渡らすことこそ重要。
第2 憲法の意義
 
1. 憲法は国の「最高規範」といわれる。
 
(1) しかし、天賦人権説を経た近代では立憲主義を念頭に置く。
「自由・人権を保障し、権力を制限する憲法」
天賦人権説とは
  なぜ天賦人権説なのか。
(2) 主権者は国民。
国民が憲法を作る。
憲法を守るのは公務員。
2. 日本国憲法の三大原則
 
基本的人権の尊重
国民主権
平和主義
3. もしも憲法なかりせば~戦前の帝国憲法を見よ。
  ex.治安維持法(特高)
   予防拘禁・言論弾圧、小林多喜二の虐殺など
4. 憲法を十分に生かすことこそ重要
 

憲法違反の法律は作れない。
法律がおかしかったら憲法をもとにして変えさせるしかない。

憲法訴訟の数々
  人権を守る闘いの一つ

第3 国会状況
 
1. 衆議院
  2012年12月の衆議院総選挙の結果、憲法改正をめぐる情勢は新たな局面を迎えることとなった。衆議院における議席数で、自民党と日本維新の会とみんなの党の改憲積極派が366議席・76.2%を占めるに至った。
2. 参議院
  2013年7月の通常選挙の結果、自民党と日本維新の会とみんなの党の改憲積極派は143議席となり、改憲発議に必要な3分の2の162議席には到達しなかった。
しかし、公明党を加えれば、75%を占める。
民主党内にも改憲派はいる。
第4 改憲へ向けた道筋
 
1. 自民党憲法改正草案(2012年4月27日決定)
古色蒼然たる内容 → 第5の通り
2. 96条先行論
 
(1) 2013年4月初め頃までは、安倍首相は、9条改憲の前に、96条改憲(改憲の国会発議要件を「3分の2以上」から「過半数」に引き下げるという改憲)を先行させると明示した。
(2) 麻生ナチス発言(見習って静かに)~姑息としか言いようがない。
(3) 目指すところ(自民党改正草案)を批判すべし。
3. 戦争の出来る体制へ
 
(1) 国家安全保障会議(日本版NSC) すでに設置
外交・安全保障の司令塔
(2) 内閣情報局の新設(11/21現在、動きは見えない)
情報処理機能を強める目的
(3) 特定秘密保護法案(11/21現在、維新の合意など伝えられている)
 法案では、対象が4分野
  ①防衛に関する事項、②外交に関する事項、③外国の利益を図る目的で行われる安全脅威活動の防止に関する事項、④テロ活動防止に関する事項
 秘密の範囲が極めて広くなっており、特定秘密の指定は行政機関の庁のみの判断で行われ第三者のチェックも想定されていない。
  政府にとって都合の悪い事項例えば、原発汚染水情報、外交密約情報、警察裏金情報などが隠されてしまう可能性がある。
(4) 集団的自衛権
参院選後の7月22日安倍晋三首相(自民党総裁)は、党本部で記者会見し、集団的自衛権の行使容認に向けた議論を来月にも再開する考えを表明した。
すでに解釈改憲へ向けて、内閣法制局長官を代えた。
解釈で変えうるのか。
改めて9条を読んでみよう。
(5) 共通番号制
既に成立。(徴兵制には番号管理は不可欠。)
(6) 更なる規制緩和(格差社会)、特区構想など。
貧困、就職難が、入隊の動機付けとなる。
(cf.堤未果「貧困大国アメリカ」)
(7) 憲法改正国民投票法の課題
「三つの宿題(①18歳投票権②公務員の政治活動③国民投票の対象)」のうち①③は憲法改正に限定する模様。尚、3年後に、衆参同日選挙と96条改正の国民投票の同時実施を展望しているとも噂されている。
第5 自民党改憲草案批判
 
1. 平和主義について
 
(1) 第2章 戦争放棄→安全保障
安倍…実体(自衛隊)をかえるものではない、戦争しない、という。
現行では様々な制約
 イラク  建前は、人道復興支援
 アフガン 米軍の補給などしているが、建前は武力支援ではない。
しかし、明文が変われば、実態も変わる
現行憲法では、個別的自衛権であり、集団的自衛権は出来ない。
(2) 9条の2
米軍と同じ活動が出来ることになる。
「公の秩序を維持」…「危険」と判断したものの抑止。
  戦前の、安寧秩序と同じ
軍隊として国防軍(新しい日本軍)の登場
(3) 9条①は残している。(そうしないと平和憲法といえない)
基本原則の、文言は残すが、骨抜きにする。
2. 国民主権について
 
(1) 憲法観そのものが変えられようとしている。
主権者は人民。人民の中から、三権を任す人を決め、委ねる。
しかし委ねられた者は濫用してはならず、人民・国民の為に行使すべき。
権力者がやるべき事、やってはいけないことを定める。
人民から国家権力者への命令
(2) 99条→102条
99条、民主主義的立憲主義。
99条の言葉を残すが、性格は骨抜き。
天皇・摂政を外している。
(3) 1条「元首」
元首とは、国を代表する存在(自民Q&A「元首 ヘッドオブステート」)
国の第一人者だという。
天皇主権とまではいわないが主権在民骨抜きの危険
3. 国民の義務について
 
(1) 国防の義務 人権尊重の前にきている。
(2) 3条「国旗、国歌尊重義務」
現在の、教育現場での役割
現在、子ども達、保護者には強制できない。
教育公務員だから、職務命令に従わねばならない。
 ↑ここが今のところの歯止め
しかし、全国民に対し不起立は認めないことになる。
◎軍隊を持ち、戦争できる国、それを支える国を目指しているとしか思えず
(3) 道徳の尊重義務
4. 人権について
 
(1) 第3章 11条
Q&A「天賦人権説」(生まれつき自由であり平等)はとらないという。
(2) 現行97条(11条とつながる)→削除。人権を軽く捉える指向性
(3) 12条→大きく変わる
改憲派がよくいう「権利ばかり」
立憲主義を無視した議論
民主主義的憲法は、権利が多いのは当たり前
現行「公共の福祉」=人権調整の原理
福祉が基準=お互いがハッピーになるように水平の原理
自民案「公益・公の秩序」=上からの人権制的原理
  為政者が決める
(4) 13条 個人として
自民案 人として
「個」が外される意味
帝国憲法時代への郷愁
「個人」の観念を入れない
ジブリ「風立ちぬ」カミカゼ特攻隊の思想
帝国時代「国体の本義」「人臣の道徳」
お国の為に・天皇陛下の為に、自分を犠牲にする。
英霊とされる。→靖国の必要性
戦後それが「個人として」→教育基本法に繰り返し出てくる。
(5) 21条 民主主義にとって一番重要な権利。
自由な意見交換が民主主義の前提
今でも、政府にとって、危険な「表現」への抑圧。
それが改憲されればどうなるか。
形は、残した上で骨抜きとする。
(6) 20条Ⅲ 公式参拝、高裁レベルでの違憲が確立
それゆえある種のブレーキがあるが、自民党案ではなし崩しになる。
(7) 刑事被告人の人権
 なぜ刑事被告人の人権が重要なのか。
独裁国家でも、政敵或いは政府の敵を葬り去るのに、裁判の形を取る。それ 故、正当な裁判を受ける権利が重要。
5. 硬性憲法について
 
(1) 硬性憲法の意義
(2) 憲法が権力者への命令である以上、権力者によって容易に変えさせない。
諸外国でも普通。日本で改正回数がゼロであってもおかしくない。
憲法を変える必要が無かったから。むしろ、憲法を生かすべし。
第6 まとめ
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